『宿で死ぬ – 旅泊ホラー傑作選 – 』朝宮運河

はじめに

今回は朝宮運河さん編著の「宿で死ぬ −旅泊ホラー傑作選−」を読ませていただきました。
以前、紹介した「家が呼ぶ −物件ホラー傑作選− 」の宿版となります。

宿で死ぬ ― 旅泊ホラー傑作選 ― 朝宮運河 編著
販売日:2021/06/14
出版:筑摩書房
ページ数:307ページ

本書はこんな人におすすめ

・ホラーもの小説が大好き
・短編集が好き

著者の朝宮運河さんについて

1977年、北海道函館市出身。怪奇幻想ライター。同志社大学文学部卒業。同大学院文学研究科博士課程前期修了(日本文学)。ホラー、怪談、幻想小説のジャンルを中心に「ダ・ヴィンチ」「怪と幽」をはじめ多数の媒体にて書評・ブックガイド等を執筆。各種文芸作品の文庫解説やアンソロジー編纂も多く手掛ける。
 

内容について

前作「家が呼ぶ」のシリーズ続編にあたる本作「宿で死ぬ」は宿にまつわる怪談を全部で11作も集め、1冊にまとめた旅泊ホラーの傑作選となります!

目次

本の内容としては下記の通りとなっています。

三つの幽霊 – 遠藤周作

屍の宿 – 福澤徹三

残り火 – 板東眞砂子

封印された休館 – 小池壮彦

湯煙事変 – 山白朝子

深夜の食欲 – 恩田陸

カンヅメ奇談 – 綾辻行人

螺旋階段 – 北野勇作

ホテル暮らし – 半村良

狐火の湯 – 都筑道夫

トマトと満月 – 小川洋子

編者解説

初出/底本一蘭

著者紹介

一つ一つの物語は短く、それぞれ15分程度読め内容となっており、僕は全てを読み終えるのに3時間程かかりました。

感想

今回は前作の物件とは異なり、ホテルや旅館に関連する怪談ものを集めたものとなっており、どの物語もゾクりとくる話でした。
また、編著者による各物語の解説もあるので、より一層物語を楽しめました。
個人的にお気に入りを3つ上げるとしたら、「屍と宿」「深夜の食欲」「トマトと満月」の話が個人的には好みでした。

「屍と宿」
愛人ととある古びた旅館に泊まりますが、そこに住まう地元民や旅館の従業員の様子がおかしく、愛人との関係も険悪になってくる・・・
最後は、これぞホラーといった締めくくりをし、分かりやすくゾクりと来るものがありました(怖)

「深夜の食欲」
こちらも”屍と宿”と同様にわかりやすいホラーとなっています。
あるホテルの従業員が深夜に食事を部屋にワゴンに運びますが、道中様々な怪異に見舞われジワジワと恐怖が高まる内容となっています。

「トマトと満月」
他の怪談ものとは打って変わって、不思議印象を受けた物語でした。
何かの間違いか主人公が泊まる部屋に既に犬を連れた中年の女性がいました。その女性と知り合いになり、ホテルに宿泊している最中で女性と親しくなっていきます。
随所に見られる含みのある表現に女性に対する違和感が感じられますが・・・

ここでは紹介しきれなかった物語も本当にゾクりと来るものが多いので、是非読んで見ることをおすすめします!

さいごに

最近は中々旅館やホテルに泊まるのが難しい状況ですが、
今回の本を読んだことで、旅館に泊まりたいなと思いました。(もちろん曰くの無い旅館ですが・・・)

個人的には夏と言ったらやはりホラーなので、「宿で死ぬ」が読めてよかったです!
次回作シリーズも期待が高まります・・・!

最後まで目を通して頂きありがとうございました!

宿で死ぬ ― 旅泊ホラー傑作選 ― 朝宮運河 編著
販売日:2021/06/14
出版:筑摩書房
ページ数:307ページ